こんにちは、霜月です。
スプラウト社が書いた「闇ウェブ」を改めて読んでみたので、感想をまとめてみたいと思います!ご興味ある方は是非どうぞ〜m(o・ω・o)m
※過度なネタバレは避けて、個人の感想と印象に残った箇所をまとめていきます
どんな本?
こちらの本は、セキュリティのプロ集団であるスプラウト社のメンバーが執筆した「ダークウェブってどんなところ?」を一般向けにわかりやすく解説した本です。過去に実際に起きた事件や、ダークウェブ上で運営されていた闇マーケット「シルクロード」などについてまとめられています。※Torの仕組みは簡単に解説されてますが、具体的なアクセス方法だったり実際のonionサイトは載ってないので悪しからず。
本書は2016年に発売されたのですが、発売当時にすぐに買って読みました!久しぶりに読み直そうと思ったのが今回です。
勝手な印象ですが、スプラウト社はハッカー集団の中に侵入してハイレベルな調査をしているプロ集団のイメージです( *`ω´)
目次はこんな感じ。
- 序章:現代社会を動かすサイバー空間
- 第1章:サイバー闇市場の実態
- 第2章:盗まれた個人情報の行方
- 第3章:サイバー闇市場へのアクセス
- 第4章:「Tor」と捜査機関の攻防
- 第5章:最大の闇市場「シルクロード」の黒幕逮捕
- 終章:終わりなきサイバー犯罪との戦い
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印象に残ったパート
最初から最後まで、セキュリティに馴染みのない方でもサクッと読める分かりやすい本でした。難しい専門用語も出てこないですし、手軽にダークウェブについて知ることができると感じました!毎度思うことですが、犯罪者って発想が本当に凄いですね。凡人の私では思い付かないことばかりです...。
ダークウェブで売買されてるもの
本書の面白さはズバリ、何がいくらで売られているのかの情報が多いことです!私もダークウェブにアクセスすることはあるのですが(変な目的じゃない)、DDoS攻撃が何時間で何BTC、どこの国の偽造パスポートが何BTCなど見ることはあります。本書では色々と紹介されていて面白いです!特に「なるほどな」と思ったのは、ダークウェブで流出している個人情報数は年々増加しているため、1件あたりの価値は下がっているということ。偽情報や古い情報(もう使えなかったり変更されていたり)がバインドされて売られるので、確かになと思いました。大人1人分の個人情報で1ドルだとか。
因みに、キングス・カレッジ・ロンドンの研究者が2016年に発表した調査によると、ダークウェブ上の闇市場のうち約57%が麻薬や違法な金融活動、過激ポルノだったそうです。ほぇ〜という感想(ボキャ貧乙)。
個人の医療情報の価値
個人情報の価値ってどれくらい?という話をしましたが、ダークウェブ上で価値があるとされるのは「医療・保険情報」だそうです。これも納得感あるのですが、肥満な人やタバコを多く吸う人が分かれば、その人が関心を向けそうな詐欺、スパムメールが送れます。また、将来的な懸念として、医療機関のIT化が進むにつれて、個人の健康・医療データが狙われるという話も述べられています。
余談ですが、ベネッセの大規模情報漏洩(2014年の約3504万件の事件)では一人当たり500円の金券が配られましたが(私もいただきましたw)、当時「個人情報の価値ってこんな安いの!?」と国内で物議を醸したことをよく覚えています。
スパムメール業者の実態
スパムメール業者の話も面白かったです。自分たちが配信したメールから、ユーザーが出会い系サイトなどに登録すると、ユーザーが使った費用の30-40%が報酬として貰えるそうです。ただ、最近では若者はLINEなどが普及してメールをあまり使わないため、スパムメール業者は衰退しているとのこと。なんだかリアル。
最後に
本書はダークウェブの概要について、セキュリティに詳しくない人でもサクッと理解できる本でした。2016年の本なので、今(2024年時点)とはダークウェブの状況や仕組み、Torの運営が異なっている点もありますが、まずはダークウェブとは?という部分は掴める良書だと思います!
もっとダークウェブについて知りたい!という方は、Cheenaさんの書かれた「ダークウェブの教科書」もオススメかもです。
ダークウェブは一般的に認知される存在になりましたが、日本語コンテンツは少ないのでこういった書籍は貴重ですね!シルクロードについては映画もあります。
ただの余談ですが、劇場版名探偵コナンのゼロの執行人(安室の女が量産されたやつ)でTorならぬNorが白菜のアイコンで出て来た時は劇場で吹きました( ̄▽ ̄)
まあ、玉ねぎでも白菜でもキャベツでもいいんですがw w
ということで、気になった方は是非本書を読んでみてくださいませ〜!
ではでは〜m(o・ω・o)m