ゆるゆるにっき。

趣味でゆるっとセキュリティやっています。

「アカマイ 知られざるインターネットの巨人」を読みました

 

こんにちは、霜月です。

アカマイ 知られざるインターネットの巨人を読んですっかりアカマイさんのファンになってしまったので、備忘録として感想をまとめておきたいと思います!

 

ご興味ある方はぜひどうぞ〜m(o・ω・o)m

※過度なネタバレは避けて、あくまで個人の感想と印象に残った箇所をまとめていきます

 

 

どんな本?

みなさんご存知CDNで有名なアカマイさんですが、一体どんな歴史があってここまで大きくなったのか、本書はその軌跡を辿っていく本です。著者は小川晃通さんです。

アカマイは、セキュリティの仕事をしている人にとっては、一度は聞いたことのある有名な企業かと思います。そして、新しい分野にもどんどん挑戦している企業であり、個人的にも応援している企業の1つです!

 

 

本書、あらすじから以下持ってきました。

 

個人が自由につながる世界、それがインターネット―そんな「幻想」を打ち砕く事態がひそかに進行中だ。いまやネットを流れる情報の半分近くは「ハイパー・ジャイアンツ」たるグーグルと、この会社「アカマイ」が握っている。ハワイ語で「賢い」という意味を持つ多国籍企業アカマイ。公的機関から大手コンテンツ事業者まで、世界中の顧客に安全で迅速なトラフィックを約束する、この知られざる超大企業の全容が初めて明かされる、インターネットが面白くも怖ろしくもなる、衝撃の書。

 

本編を読んでいく中で印象に残ったエピソードの1つですが、「アカマイ」というのはハワイ語で「賢い」という意味だそうです。創業した1998年、創設者が所属していたMITで当時ハワイ語が流行っていたことと、アルファベット順に社名が並んだ時に上位にきて欲しいという意図から、社名をアカマイにしたとのことです。

 

因みに、目次はこんな感じです。

  • はじめに あなたもアカマイとつき合っている
  • 第1章:なにをする会社なのか
  • 第2章:それはMITから始まった
  • 第3章:インターネットはどう動くか
  • 第4章:アカマイの技術とインターネット
  • 第5章:インターネットのカネと力
  • 第6章:インターネットとアカマイのこれから
  • おわりに 知られてないけどすごい会社

 

印象に残ったエピソード

それでは本題に行きたいと思います!

アカマイ創設

第2章が個人的には非常に面白かったです。アカマイの歴史や、どんな人がどんな思いで創設したのかが書かれている章です。

アカマイを語る上でインターネットの歴史、wwwの歴史は非常に密接な関係があるのですが、なんとwwwの考案者であるティム・バーナーズ・リーさんと、アカマイ創設者であり現CEOであるトム・レイトンさんは同僚だったとのこと!

ざっくり端折りますが、ティムさんは1995年に「今後インターネットは混雑していくことが予想される。よりよいコンテンツの配信方法はないか?」とトムさんに相談されていたそうです。そして、当時のトムさんはMITで応用数学の教授だったとのこと。

Webの混雑状況を応用数学アルゴリズムで解決しよう!と発案したことがアカマイの始まりだそうです。その後、ビジネスコンテストに出場し、紆余曲折あり1998年に創設とのこと!

この話を読んだだけでもうファンになりましたw

 

アカマイと9.11

そして、一番衝撃的だったエピソードが同じ第2章の中にありました。

突然、9.11の見出しが出てきたのでなんだろう?と思いながら読み進めていたのですが、なんと、アカマイ創設者の1人であり当時CTOだったダニー・ルウィンさんが9.11でハイジャックされた便に搭乗されていたらしいのです。ルウィンさんはイスラエルアメリカ人だったため、テロリストと接触したのではないか?と言われているとのこと。そして、ルウィンさんの搭乗していた便での最初の犠牲者だったと推測されているそうです。

アカマイはWebとともに大きくなった会社であり、Webの歴史を作ってきた会社であると共に、創設者が突然なくなってしまうショッキングな歴史を歩んで成長してきたということが、2章を読んでよくわかりました。正直、第2章だけで読んで満足しました。

 

アカマイの仕組み

第3章、4章では、インターネットとWebの仕組みについて解説しているパートでした。エンジニアからしたら当たり前の話かもしれませんが、アカマイがどのようにして遅延のない配信を実現しているか、図説付きで丁寧に書かれています。

簡単にいうと、「コンテンツを近いところから持ってくる」という仕組みをとっています。リクエストの多い対象はアカマイサーバーから、そうでないものはオリジンサーバーからコンテンツをもらうということなのですが、このアカマイサーバーはキャッシュを溜め込んでおり、世界中に(調べたところだと)約35万台もあるとのこと!

 

なくてはならない存在

アカマイはもはや世界中の企業を牛耳っているようです。

知っている人にとっては当たり前かもしれませんが、アカマイはBtoBのビジネスをしています。その影響か、一般的には知られていないですし、コマーシャルはしません。しかし、私たちが普段見ているコンテンツ(動画、生中継、ゲーム、など)はアカマイサーバーによって配信されているかもしれないです。つまり、アカマイにとってのお客さんはコンテンツ事業者と言えます。

元々は、ISPにアカマイサーバーを置いてもらう立場だったそうですが、今では快適な配信をするためにはアカマイを置かないと、情報通信業界にとっては痛いそうです。こう言った「力関係」のエピソードが5章で読めます。そして最後の6章では、アカマイの今後について触れられています。セキュリティについても(特にDDoS攻撃)この章で出てきます。

 

最後に

以上で、本の感想&まとめとしたいと思います!

繰り返しですが、本書を読んでアカマイのファンになってしまいました。これからもガンガン頑張ってほしいです。また、本書はセキュリティ云々ではなく、ITの歴史を知る上でもなかなか面白い本だと思います。読み終わった頃には、タイトルの「知られざるインターネットの巨人」の意味がよーく分かるのではないかと。

 

おすすめなので是非気になった方は読んでみてくださいませm(o・ω・o)m